【株式投資】【長期投資】キャッシュフローってなに?|キャッシュフロー計算書から長期株式投資戦略を考える

上場企業の決算書に作成が義務とされている、財務諸表の中でも、以下の3葉が、財務三表として
重要視されています。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュフロー計算書

その中で、今回は、「キャッシュフロー計算書」に着目して、投資判断地点までその企業が成長
してきているのかを確認する方法を考察したいと思います。

そもそも、「キャッシュフロー計算書」ってなに??

そもそも、「キャッシュフロー計算書」って、なんですの??という話ですが、まず、この言葉
を直訳すると、

 「キャッシュ」=「お金」 「フロー」=「流れ」

なので、

 「キャッシュフロー計算書」=「お金の流れの計算書」

ということになります。
読んで字のごとくで、会社のお金の流れを計算しています。

ここでいう、「キャッシュ」(=お金)は、「現金・現金とみなされるもの」で、

  • 現金
  • 普通預金
  • 当座預金
  • 3か月以内の定期預金

など、すぐに現金化することが可能な「キャッシュ」の流れを明確にする目的で作成されています。

「キャッシュフロー計算書」はどこにあるの?

「キャッシュフロー計算書」は、どこにあるのかというと、決算短信の中にあります。
上場企業であれば、ホームページのIR資料室などに、決算短信が掲載されています。
また、企業によっては、数年間にわたり数字をまとめられた財務ハイライト資料を掲載されています。

【参考】三菱商事決算公表資料
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ir/library/earnings/fs2020.html

「キャッシュフロー計算書」の中身は?

キャッシュフロー計算書の中は、3つの活動に分けて計算されています。

  1. 営業活動によるキャッシュフロー
    会社の主たる営業活動から生じたキャッシュ。
    外部調達資金ではなく、本業で資金で稼いでいるキャッシュを表すもの。
    • 商品などの販売による収入
    • 商品、原材料などの仕入による支出
  2. 投資活動によるキャッシュフロー
    会社の将来のための投資活動において、キャッシュをどのように使って、どのように生み出して
    いるのかを表すもの。
    • 有形固定資産の取得、売却
    • 貸付金の貸付、回収
  3. 財務活動によるキャッシュフロー
    会社の主たる営業活動、投資活動以外の資金の調達と返済によるキャッシュの流れ。
    • 借入金の借り入れ、返済
    • 社債の発行、償還

上記の3つの活動のキャッシュフローに、期首のキャッシュ残高に加算、減算して、期末のキャッシュ
残高を計算します。計算式は以下の通りです。

  「営業活動によるキャッシュフロー」
 +「投資活動によるキャッシュフロー」
 +「財務活動によるキャッシュフロー」
 +「期首キャッシュ残高」
 =「期末キャッシュ残高」 

「キャッシュフロー計算書」から、成長企業を見極めよう

長期株式投資戦略を考える上で、持続的に成長する企業を見極めるため、ここまで成長してきている
のか?を、キャッシュフロー計算書をどう見ればいいのか、考えてみます。

「営業活動によるキャッシュフロー」は、プラスであるべき

「営業活動によるキャッシュフロー」は、本業の稼ぎを表しているので、ここが赤字というのは
あってはならないことです。

よって、「営業活動によるキャッシュフロー」は、絶対プラスであるべきです。

投資対象として考えている企業の営業キャッシュフローが、持続的にプラスであることを確認して
おく必要があると考えます。

「投資活動によるキャッシュフロー」のマイナス増加した後、「営業活動によるキャッシュフロー」が着実に増加していること

企業が投資するのは、後に会社の利益を増加させる目的で行うものです。

投資直後は、すぐに営業キャッシュフロー増加につながるものではありませんが、投資から数年後
には着実に営業キャッシュフロー増加につなげていただきたいものです。

すなわち、数年間のキャッシュフロー計算書を確認し、投資急増があった後、数年にわたり、営業
キャッシュフローが増加している
のが理想的な形となります。

このような企業は、経営職の投資判断は信頼できるものであり、今後の成長も見込めるため、
長期株式投資に適した企業と判断することが出来ます。

これとは逆に、投資後に営業キャッシュフロー増加につながっていないのであれば、それは投資
した経営判断に誤りがあったということになり、経営職の投資判断能力に疑問が残ることになり
ます。

このような企業では、現地点の業績もよくない上、今後も投資判断を間違えられる可能性が高い
考えられますので、長期株式投資には向かないと判断せざるを得ないと考えます。

「キャッシュフロー計算書」の見方と、長期株式投資に対する戦略まとめ

キャッシュフロー計算書の見方と、長期株式投資に対する戦略を、以下にまとめました。

  • キャッシュフロー計算書は、企業の「キャッシュ」=「お金」の流れを表した資料
    • 「営業活動によるキャッシュフロー」は、本業で稼いでいる「キャッシュ」を表したもの
    • 「投資活動によるキャッシュフロー」は、企業が投資活動で投資、回収した「キャッシュ」
      を表したもの
    • 「財務活動によるキャッシュフロー」は、営業、投資活動以外の「キャッシュ」の流れを
      表したもの
  • 長期株式投資戦略としては、以下を確認する必要があると考えます
    • 投資対象企業の「営業活動によるキャッシュフロー」が、持続的にプラスであることを確認
      する
    • 投資対象企業が、投資急増した後、持続的に営業活動によるキャッシュフローが増加傾向に
      あることを確認する

以上、キャッシュフロー計算書の見方から、長期株式投資戦略まで考察してみました。

みなさんの投資判断の一助となれば幸いです。

※個人的な私見を含みます。
※投資に関する判断は自己責任にてお願いします。

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