配当金って、もらってうれしいですよね♪
さらに、多ければ多いほどうれしい♪
今回は、そんな配当金について、長期投資を行う観点から、考えてみたいと思います。
目次
まずは、配当金はどこから出ているのかを理解しましょう
配当金は、どの資金から払い出されているのでしょうか?
下のグラフは、一般的な企業の売上高、営業利益、経常利益、純利益、配当金の構造です。
グラフからわかる通り、配当金は、純利益の中から株主に支払われています。
よって、純利益赤字の企業は、一般的には無配当となります。
最近よく聞く「配当性向」は、以下の式で計算されます。
配当性向(%)=配当金総額/純利益×100%
=1株あたり配当金/1株あたり純利益(EPS)×100%
配当性向が大きい企業はいい企業か?
配当性向が大きい企業は、利益を株主に還元するという意味では、すばらしい企業のように見えます。
しかし、利益をすべて株主に還元すると、企業の内部留保は無しということになります。
その場合、企業は投資することが出来ず、今後企業が成長するのか?というところに疑問が残ります。
企業の建物、設備、事務機器などなどの資産は、時間が経過すると、陳腐化していくのは避けられ
ません。
もし、再投資するキャッシュがないと、資産を増やしていくことが困難になりますので、そのような
企業は、今後の成長が見込めない=長期投資に向かない企業となります。
よって、あまりに配当性向が高い企業というのは、長期投資を行う場合にはちょっと考える必要が
あります。
高配当企業から配当を受け取ったら、優良企業への再投資も考えてみる
高配当企業に投資すると、定期的に配当金を受け取ることが出来ます。
その配当金、お小遣いにしてパーッと使うのも幸せです^^
でも、その配当金を優良な企業への再投資をすると、複利効果でさらにお金が増えていきます。
その複利の力は、現在の銀行預金と比較し、比べ物にならないぐらい複利効果を享受することが
できます。
(参考)円預金金利(三井住友銀行)
https://www.smbc.co.jp/kojin/kinri/yokin.html
高配当だが低成長企業で、受取配当金が大きいのであれば、優良企業に再投資する戦略も、頭に
入れておいたほうがいいと思います。
再投資先選定不要!?配当性向が低い企業は、再投資意欲があると考えてみる
逆に、しっかり純利益を上げているのに、配当性向が低い企業は、どのような企業か考えてみます。
配当性向が低い場合、企業の内部留保金が大きくなり、必要な再投資に資金を多く回せることに
なります。
考え方としては、ROEが十分大きな企業の場合は、配当金として受け取るより、企業に再投資して
もらって、さらに企業の利益を増大してもらうほうが、資金を効率的に増やすことが出来るとも
考えられるのです。
そう考えると、企業に再投資してもらうことで、さらに複利効果があるとも考えらえるので、自分で
再投資先を選定するよりも効率的に複利効果を得られるかもしれません。
ただし、配当性向が低くても、近年のROEが十分大きくない場合は、有利子負債の返済に回したり
している可能性があるので、長期投資対象企業を探す場合は、ROEの大きさに加えて、有利子負債
がどの程度あるのかというのも確認しておく必要があります。
その上で、配当性向を確認し、配当性向が低い場合は、ちゃんと事業に対し再投資されているのかを
確認したうえで、投資判断をするべきと考えます。
配当性向における長期投資に対する戦略まとめ
配当性向における長期投資に対する戦略は、以下の通りになります。
- 配当性向が高い企業の場合は、以下の戦略を考え、長期投資戦略を考える。
- 現在の株価に対し配当利回りが十分高いか確認する。
- その配当金を、自分で再投資し、複利効果を高めるべく戦略を考える。
- 配当性向が低い企業の場合は、以下の確認を行い、長期投資判断を行う。
- 有利子負債があまりに大きくないか確認する。
→有利子負債が大きすぎると、再投資ではなく負債返済に回される。 - 再投資が次の決算期に十分効果が発揮されているか、高ROEが維持されているか
確認する。
- 有利子負債があまりに大きくないか確認する。
個人的には、配当性向が低くても、有利子負債が小さく、高ROEが長く維持している企業
が、利益余剰金を再投資に回し、さらに業績UPしてもらえればいいので、そのような企業
に長期の株式投資をしています。
※個人的な私見を含みます。
※投資に関する判断は自己責任にてお願いします。
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